なんだか人の気持ちがわからない。感動ドキュメントを見ても感動しないし、友達が喜んでいても一緒に喜べない。そんな人は共感力が低いのかもしれません。共感力が高い人ってどういう人なんでしょうか?あなたも共感力を高めてみませんか?
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相手が怒っているけど、どうして怒ってしまったのかイマイチ理解できない。友達が彼と別れたことを悲しいって泣いてるけど、イマイチ共感できなくて冷めてしまっている。そんな自分に気づくことありませんか? そういう人は、もしかしたら共感力が低いのかもしれません。共感力が高ければ、相手の気持ちを自分のことのようにくみ取って一緒に泣いたり笑ったりすることができます。でも共感力が低いと、理屈ではわかるけど気持ちが一緒についていってくれなかったりします。 共感力が高いとどんなメリットがあるのでしょうか?逆に共感力が低いとどんなデメリットがあるのでしょうか?今回は人とのコミュニケーションを円滑にする共感力について考えてみましょう!あなたの共感力もきっと磨けますよ!
共感力が高い人って、どんな特徴を持っていて、どんな性格をしているのでしょうか?
共感力が高い人は話を聞くのが上手です。相手の話を聞きながら、どういう感情で話しているのかを想像しつつ適切な言葉かけをすることが出来るからです。 例えば「こういうことがあったんですよね」と、ぽつりぽつりと語ってくれたことに対して共感力が高い人は「それは悲しかったですよね」と感情を察して言葉を返すことができます。すると話した人は、わかってくれていると感じるので、もう少し話したくなります。 もし共感力が低いと、ここでは「ふうん」で終わってしまったりします。すると相手はつまらないのかな…と感じて、そこで話を辞めてしまったりするのです。共感力が高いと聞き上手になるのです。
共感力が高い人は、人のことであっても自分のことのように喜ぶことができます。例えば、友達が「事故に遭ったけど、幸い怪我がなかった!」と話した時に、「それはほんとによかった!」と自分のことのように大喜びできます。 相手が報告を聞いて、自分のことのように喜んでくれると、話した人もさらに嬉しい気持ちになります。また、そうやって自分のことのように喜んでくれる人のことは通常誰しも大好きです。 共感力が高い人は、ニュースで行方不明の子が見つかったというのが出た時も「ほんとによかった!」とちょっと気分が良くなったりします。友達など身の回りの人だけでなく、全くの他人の話でも一緒に喜べるのです。
共感力が高い人は、結構映画を見て泣いています。役者に感情移入をしやすく、感動系の映画ともなれば、必ずと言っていいほど涙を流して見ています。共感力が高い人は、泣かないようにしようと思っても、どうしても感情移入してしまうのです。 映画に限らず、共感力が高い人は何かアンテナにひっかかる役どころがあれば、それがニュースであっても涙します。例えば子どもが被害者になった事件などはキャスターが喋っているのを聞いているだけで涙が出てきてしまうような人もいます。 共感力が高い人はすぐ感情移入して涙を流してしまうのです。
共感力が高い人は、自分自身も感情が豊かです。表情がコロコロ変わり、色々な面を見せます。喜怒哀楽がハッキリしていますし、泣き笑いしたり泣きながら怒ったりと複雑な感情も持っています。 それゆえ、人の感情に対して敏感で、共感しやすかったりもするのです。共感力が高い人は、良く笑いよく泣いてよく怒る感情豊かな人です。
共感力が高い人は、言葉以外からも共感できる感情を察しています。例えば、遊びに来てくれた人が、少し時計を見てそわそわしていたら「もしかしてまだ予定が詰まってる?」と聞くことができます。 共感力が高い人は、常に相手を見て情報を得ています。一緒に歩ていて食べ物屋さんばかり目で追っていることに気づいたら「ちょっとお茶したい」と言うような気遣いをします。言葉だけではなくしぐさや視線などからも相手の気持ちを察しているのです。
共感力が高い人は、話をしている最中に気が付くと相手と同じポーズになっていることが結構あります。例えば、相手と同じタイミングで飲み物を飲んだり、同じタイミングで頬杖をついてみたり。 共感力が高い人というのは、そういったしぐさも話しているうちに共鳴してくるのです。相手の気持ちを察しようとしていることで、起こる現象です。話していて同じポーズになってたら、その会話はとても共感力が高い会話になっているということです。
では逆に共感力がない、もしくは低い人の特徴や性格はどのようなものなのでしょうか?
共感力がない、もしくは低い人というのは、感情が割と平坦だったりします。あまり喜怒哀楽がなく、いつもフラットな状態です。周りの人が大喜びしてハイタッチし合っていても、どこか冷めた表情でいたりします。 目の前で相手が泣いていても、平気そうな顔、もしくは居心地が悪いから早く帰りたいといった顔で突っ立っていることが多いです。泣いたり笑ったり怒ったりがあまりありません。
共感力がない、もしくは低い人はクールです。しかも行き過ぎて冷酷な時もあります。周りがパニック状態だったとしても、自分に関係がなければ力を貸そうとか助けようとかそういった気持ちにはなりません。 普通はみんなが慌てふためくような場面でも、涼しい顔をして普段通りに行動することができます。周りからはよくそんな態度ができるなあと思われがちです。周りがどんなに大変そうでも、気づかずに定時で帰って行ったりします。
共感力がない、もしくは低い人は、すぐに人を疑ったりします。周りが共感してくれても「何か悪意があるのでは?何か裏があるのでは?」と疑いの目で見ます。優しい言葉をかけられても、不信感たっぷりの目で見てしまったりもします。 自分自身が共感しないため、人が共感するということが理解できなかったりするのです。だから共感力がない、もしくは低い人というのは、すぐに人を疑う性格をしているのです。
共感力がない、もしくは低い人は自己中心的になりがちです。目の前にいる大事な人が落ち込んでいる時でも、自分の心配ばかりしてしまいます。共感力がないので、相手が落ち込んでいるという状況が見えず、そこから自分の身に起こり得ることばかりが目につきます。 例えば、妻が病気で余命が限られている時でも、共感力がない人は残される自分が今後どうして生きていけばいいのかということしか目に入りません。目の前で気落ちしている妻が見えなくなってしまうのです。そのくらい共感力がない人は、自己中心的です。
共感力がない、もしくは低い人は映画や小説は嫌いです。感動モノを見たとて、特に何も感じません。「作りものだから」と冷めた目でしか見ることが出来ないので、面白みがないのです。それなら、まだアクションの方が好きだったりします。 また小説も同様の理由です。読んでいても何も楽しくなかったりするのです。感動モノは尚のことです。共感力ない、もしくは低い人は映画や小説は好んでみたりはしません。誘っても、興味を示そうともしません。
共感力がない人は、どうして共感力がないのでしょうか?心理的に何か原因となることがあるのでしょうか? 共感力がない人というのは、小さい頃から親に共感してもらうという経験をしていないことが多いです。普通子ども時代は、怪我をして泣いていると親から「痛かったね、大丈夫?」と共感し、なぐさめてもらうことを経験します。 そういった経験から、人は少しずつ周りに同じことをするようになります。よく幼稚園児が、こけてしまった友達に対して、見よう見まねで頭をなでてあげることがあります。それは親からの共感を学習したからです。
共感力がない人は、そもそもその部分が欠けてしまっています。例えばこけて泣いている時に親から「また服汚して!」と怒られたりするような家に育った人は共感力が低い傾向にあります。 また、元々脳の器質的に共感力が欠けてしまう場合もあります。表情から感情が読み取れなかったり、相手の気持ちが言葉通りにしか察せなかったり。そういう人は、そもそも共感するための情報を、相手から得るのが難しいのです。 そういった場合を除けば、通常共感力や幼少期から順調に育まれるものです。周りの人が共感的に関わる集団の中にいた人は、共感力が高い傾向にあるのです。そういうチャンスに恵まれなかった人は共感力がないまま育ってしまうのです。
共感力がない人は、対人関係でどういったデメリットを背負っているのでしょうか?
共感力がない人は、周りからも共感してもらえなくなってきます。というのも、共感できないことで、人と距離が出来てしまうからです。人は辛い時に共感してもらえたり助けてもらえると、心の奥で深い結びつきを覚えます。 共感力がない人は、周りとそういう結びつきが出来ません。そうなった時に、自分が辛いという気持ちを吐露しても、周りが冷めた目で見て来たり、話を聞いてもらえなかったりしてしまうのです。
共感力がない人は、周りから「冷たい人」「空気が読めない人」など悪い印象を持たれがちです。やはり人が辛い時には「辛いよね」と寄り添い、嬉しいと喜んでいる時には一緒に喜ぶ人のほうが好かれます。 共感力がない人は人が辛い時に声をかけることが出来ずスルーしてしまいがちです。人が喜んでいる時に、横で真顔で突っ立っているような感じになってしまいがちです。「人が喜んでいるのが面白くないのかな?」などという目で見られます。 共感力がない人は、周りから悪いイメージをつけられてしまうのが大きなデメリットなのです。
共感力がない人は、孤立しがちです。相手の気持ちを推し量れなかったり、周りが必要に感じている動きをとることが出来ないことで、集団から浮いてしまいます。そういったことが積み重なるうちに、様々な場面で孤立してしまうようになるのです。 共感力がない人は、家族からすら呆れられていたり、困っている時に頼ってもらえなかったりします。大切な話の時も、蚊帳の外だったりもするのです。共感力がないということは、人生で孤立するリスクを高めるというデメリットがあるのです。
あなたの共感力はいったいどのくらいあるのでしょうか?共感力を測定してみましょう。下の質問に<はい/いいえ>でお答えください。 ①目の前にいる人が笑顔になると、つられる ②知らず知らずのうちに話し相手と同じポーズになっていることがある ③悲しい話を聞いていると涙が出てくる ④相手の表情を見て、ある程度感情を察することができる ⑤困っている人が居たら、声をかけずにはいられない ⑥映画やドラマを見て泣いていることがある ⑦人の話をじっくり聞くのは得意 ⑧街中で音楽が流れていると自然と歩調を合わせてしまう ⑨怒っている人を見るとハラハラする ⑩大切な人が落ち込んでいると、なぐさめなければと思う いかがですか?6個以上当てはまる人は共感力が高い傾向にあります。逆に3個以下の人は共感力が低い可能性があります。あまり人の気持ちに左右されないところがありませんか?
共感力を高めるトレーニング方法があります。共感力を高めたいなら、ぜひ実践してみてください。
共感力が低い人は、ぜひ共感力が高い人と話してみることをおすすめします。共感力が高い人と話すと、どういう風に気持ちに寄り添ってくれるのか、体感することができます。自分がやってもらうことで共感力は少しずつ高まっていきます。 子どもの頃よりもはるかに時間がかかりますが、少しずつ共感してもらえることの嬉しさや心強さを感じるようになるのです。その体験が共感力を高めることになるのです。
共感力を高めるには、まず想像力をアップすることも大切です。想像力をアップするには普段から意識して想像することが大切です。目の前の大事な人に何か起こった時に、自分がどうなってしまうのかを考える前に、自分が相手の立場だったらどうなんだろう?と考えましょう。 そうすることで、少しずつ人の立場に立つ癖がつくようになります。相手の立場で考えるということが共感力の基礎です。その基礎部分を意識してやっていこうとすることが共感力を高めることになるのです。
共感力がない人は、話をするときに、少し意識して相手としぐさを合わせてみることをしてみましょう。共感力が高い人は、自然と相手と同じしぐさをしていたりします。同時に腕を組んだり、同時に頭をかいていたり、なんてことがあります。 共感力がない人は、まずはそういったところから入ってみるのも意外とおすすめです。また音楽が聞こえてきたら、それに合わせて歩いてみたりするのもいいでしょう。一見馬鹿みたいなことかもしれませんが、耳からの情報に自分を合わせるというのは共感力を高めます。
共感力がない人は、少し人間観察をしてみましょう。人が何かしら行動をしている時に、自分ならどういう時にああいった行動をするかな?と考えてみるのです。例えば、コンビニの前で空を見ながら腕組して何か考えている人がいたとします。何をしているのでしょう? 例えば、雨が降りそうだけど傘を買った方がいいか悩んでいるのかな?なんて考えてみます。人の行動を見て想像するということは、つまり共感力です。そういうことを繰り返していると、自然と共感力が高まるようになってきます。
共感力を高めたいときに、読むと参考になる本があります。なかなかうまくいかない時は、こういった本を参考にすることも大切です。
中村優さん著の本です。やたらと長い名前ですが、共感力をより日常レベルに落とし込んだ著書です。共感力というと、割と専門的な著書も多くなります。そういったものは理論的には非常にわかりやすく書かれていますが、実際に日常に当てはめると、よくわからなくなりがちです。 これは日常場面で使う共感力にスポットを当てているので、より実践に使いやすいかと思います。
海外で心理職としてご活躍され、臨床心理士の第一種指定校の大学院で教鞭もとられている小宮昇先生著の本です。共感力というのは実際にどういうことなのか、ということを深く深く掘り下げて紹介されています。 仕事などで人の話を聞くことがあるような方にはお勧めの本です。理論が書かれていますが、実践的でもあるいい本です。
小児科のDrとしてご活躍されている高橋孝雄先生著の本です。これは自分の共感力を高めるということとは少し違いますが、子育てに共感が大切であるということが丁寧に書かれています。とても優しい言葉で読んでいて心が安らぎます。 子育て中の方も、自分の共感力の低さに悩んでいる方も読むと気持ちがホッとすると思います。
共感力は低いと困ることが多い力ではありますが、実はありすぎても困る力だったりします。共感力が高すぎることで、人の気持ちに強く振り回されすぎるということが起こってしまうからです。 対人援助職についている人によくありがちですが、相手の話を親身に聞くうちに体調を崩してしまったり自分も精神のバランスを崩してしまったりします。これは共感力がありすぎて、相手の気持ちを相手以上に感じ取ってしまった結果です。 共感力はある程度必要ですが、あまりにも強すぎるのは考え物です。共感はするけど、どこかで自分と相手の線引きが出来なければ、相手の気持ちの上下に一緒に気持ちを振り回されてしまうのです。
共感力は高くもっているから、その場では相手の気持ちに沿っている。でも少しすると、いったん忘れたり別のことを考えたり出来るくらいが、ちょうどいいのです。一見冷たい人のようですが、そうでないと共感力で自分を潰してしまいます。
共感力はバランスが大切です。共感力が低すぎると、人とうまくやっていくことができません。場合によっては、精神的に孤立し、寂しい人生を送ることになってしまいかねません。 かといって高すぎると、今度は周りの人の感情に振り回され続け、自分の人生をきちんと生きることが出来なくなってしまいます。自分と相手は違う人で違う人生を歩んでいることを頭の片隅に必ず置いて、でも相手の気持ちに添える共感力を目指しましょう。
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