2019年03月29日公開

2019年06月11日更新

[臨床心理士執筆]悩むこと自体に意味はない?悩むと考えるの違いを知って自分を変える方法

人生に悩みはつきもの。悩むのはつらいことですし、どうしてもネガティブ思考になりがちです。できればもっと前向きになりたいと思っている人も多いのではないでしょうか。今回は、「悩む」と「考える」の違いから、より前向きに人生に向き合う方法について考えていきましょう。

悩むことが多いあなたへ

どの学校に進学するかで悩む、彼氏と別れるかどうかで悩む、今の仕事をやめて転職した方がいいのかで悩む、離婚するか踏みとどまるかで悩む…人生の岐路に立つと、どんな人でも悩むものです。 また、ふだん悩むことが多い人のなかには、日常のささいなことにさえ深く悩んでしまうという人もいるかもしれません。たとえ小さなことであっても、悩むことはやはり心の負担となります。「悩むことがつらい」「すぐ悩む自分を変えたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。 今回は、「悩む」と「考える」の違いにふれながら、悩みと上手に向き合っていく方法についてご紹介します。

よく悩む人の心理とは?

ふだんからいろいろなことに悩む人には、考え方や性格にどんな特徴があるのでしょうか。まずは、よく悩む人の心理についていくつかご紹介していきましょう。「私はよく悩むことがある」と感じている人は、自分がどのタイプに当てはまるかをチェックしてみてください。

どんなことにも真面目

よく悩む人は、どんなことにも真面目に取り組みます。適当に考えて手を抜くことをしない(できない)からこそ、いろいろなことを背負ってしまいがちでもあるのです。そのため、日々の生活でも悩む場面が多くなります。 また、真面目さゆえに空気や状況を読もうとがんばりすぎてしまうのも、よく悩む人の特徴のひとつです。かかわる人それぞれの立場や気持ちを考えようとするため、調整に苦労したり、板挟みに悩むこともあります。

失敗したくない

よく悩む人は、完璧主義で「失敗したくない」という気持ちを強く持っている人でもあります。失敗しないためにいろいろ考えたり準備をしたりするので、ふつうの人より仕事を抱え込み、悩む場面も多くなりがちです。周りの人との意識の差にも悩むことがあります。 また、完璧主義は不安を感じやすいということでもあります。どんなにクオリティを上げてもなかなか安心することができません。どれだけがんばって結果を出しても、やはり不安が払拭できずに悩むことになります。

自分の判断に自信が持てない

よく悩む人のなかには、いつも周りに意見を求めてしまう人もいます。自分の判断に自信が持てず、悩むとすぐに誰かに頼りたくなってしまうためです。その結果、いろいろな意見に振り回されて、さらに悩むという悪循環にも陥ることがあります。 もちろん、人の意見を参考にするのも大切なことです。ただ、最終的な決断は自分でしなければなりません。悩むことが嫌だからと他の人の意見に流されていると、あとでよけいに悩む羽目になることもありますね。

正解がないと落ち着かない

「なんでも白黒つけたい」「正解がないと落ち着かない」という人は、一見悩みもなくさっぱりとした性格のように思えます。ただ実際には、思うようにいかず悩む人も多いのです。というのも、世の中には正解のない問題も多く、すべてに白黒つけられるわけではないからです。 特に人間関係のトラブルなどは、悩む人も多いでしょう。これといった正解がないので、グレーのままなんとかやり過ごしていく曖昧さも必要だからです。そういった曖昧さを苦手としている場合、なんとかして白黒つけようとして、かえって悩みが深くなってしまうこともあります。

頭のなかが混乱しやすい

よく悩む人のなかには、いろいろな情報や気持ちで頭が入り乱れ、パニックになりやすい人もいます。冷静に考えればスムーズに結論が出ることも、頭のなかが混乱してなかなか整理することができません。そのため、いつも気持ちだけが空回りして肝心の問題を解決することができず、悩むことになります。 「不安が大きくて考えることに集中できない」「気持ちだけあせって何も進まない」と悩む人に多いのが、このタイプです。「悩む自分にさらに悩む」というように、悩みをこじらせてしまう人も少なくありません。

「悩む」人の本質は?人が悩む理由

「悩む」とは、精神的な苦痛を感じること、あるいは肉体的な苦痛を感じることです。もともと「悩む」という言葉の語源は「萎える(なえる)」や「病む(やむ)」に由来していると言われています。 先行きのわからないトラブルに出遭ったとき、私たちは少なからず不安や苦痛をおぼえるものですよね。そして、それを解消するために「考える」ことを始めます。ただ、必ずしもすぐにトラブルが解決されるとは限りません。 考えても考えても不安が解消されないと、だんだんと前に進む勇気も萎え、気持ちが病んでしまいます。つまり、徐々に「悩む」状態に陥ってしまうのです。

いったん悩むと、頭や心がネガティブな気持ちに支配され、なかなか行動を起こせなくなります。それでも不安な気持ちは解消されませんので、さらに頭の中で考えては不安な気持ちに浸ることを繰り返してしまいます。 考える→不安が大きくなる→行動できない→考える→不安が大きくなる… このループによってどんどん大きくなる不安や苦痛こそが、「悩む」ことの本質です。ただ苦しい気持ちになるだけでなく、その苦しさがどんどん大きくなっていくというのが、「悩む」ということの厄介なところですね。

「悩む」と「考える」の違い

ふだん「悩む」と「考える」を同じ意味で使っているという人も多いと思います。「悩む」と「考える」の違いはどこにあるのでしょうか。 「悩む」は、先ほどふれたように、精神的(あるいは肉体的)に苦痛を感じること。 不安のループから抜け出すことができずに、不安にくり返し浸ってしまうことで、心身ともにネガティブな感情から逃れることができない苦しい状態が続きます。 「考える」は、トラブルから脱出するための方法を探ること。 不安のループから抜け出すために、具体的な行動を起こそうとしている状態です。ネガティブな感情にはあえて注目せず、「何ができるか」に注意を集中させているため、悩みに心を支配されることなく考え続けることができるのです。

「どうしたらいいかわからない」「この先何が起きるか不安」 そんなふうに悩んでいても、現実は何も変わりません。悩むこと自体に、実は意味はないのです。 現状を変えるには、勇気を出して行動を起こすこと。そのために、まず「考える」ことが必要です。変化や失敗を恐れず、次の行動を考えることのできる人だけが、新しい一歩を踏み出せるのです。 ただし、行動を起こすためにはタイミングを見極めることも大切です。大きな変化であればあるほど、気持ちが付いてこないということもあるかもしれません。ときには悩み止まる時間が必要な場合があるということも、少し心に留めておいてくださいね。

「悩む人」から「考える人」に自分を変える7つの方法

ここまで、前へ進むためには「悩む」よりも「考える」ことが大切だということをお話してきました。悩むことでネガティブな気持ちに苦しむより、考えて前向きに行動していくことを目指していきたいものですね。 それでは、「悩む人」から「考える人」に変わるためにはどうすればよいのでしょうか。あなたが「悩む人」から「考える人」になるために、心がけておいてほしいポイントを7つご紹介します。

情報を整理する

困ったことが起きたとき、トラブルに出遭ったときには、誰でも不安になるものです。そして、その不安が悩むことにつながりやすいのです。ここで、悩むことなく「考える」に頭を切りかえていくために大切なことは、冷静さを保つということです。 情報や感情で頭のなかがいっぱいになったときは、あわてずひとつひとつ整理していくことから始めましょう。何が原因で、現状はどうなっているのか。これからどうしていきたいのか。解決のハードルになりそうなものや、逆に助けとなってくれそうなもの。そして、自分の気持ちなど。 まずはすべてを紙に書き出したあと、全体を見てまとめていくと整理しやすくなります。まとめながら気付いたことも、どんどん追加して整理していくとよいでしょう。書くことで建設的に考える習慣もつき、悩むことにつながりにくくなるメリットもあります。

完璧を求めない

どんなに万全を期しても、予定外の失敗は避けられないこともあります。完璧主義のままでは、なかなか前には進めません。自分に自信がなくなって、悩むループにも陥りやすくなります。 「完璧な準備ができない限り、実行に移すわけにはいかない」「少しでも失敗する可能性があるのなら、行動したくない」そんな信念が、あなたをネガティブな気持ちに追いつめていませんか?あえて悩む状況に自分を追い込んではいないでしょうか? 「なんでも完璧にできる人はいない」「ただ自分のベストを尽くせるよう考えていけばいい」そんなふうに考えることができれば、ネガティブな気持ちに悩む自分に少しずつ変化があらわれてくるでしょう。

まずは行動する

「悩む人」から「考える人」に変わるために、いちばん大切なポイントといえるのが「行動する」ことです。悩む気持ちはいったん横に置いて、まずは具体的に何ができるかを考えてみましょう。 これまで悩むことばかりでなかなか一歩が踏み出せなかったという人は、自分の不安な気持ちに注目しすぎている可能性があります。そうなると、足がすくんで前には進めなくなってしまいますね。 「どうせ不安は消えないのだから、とりあえず行動してどうなるか見てみよう」という軽い気持ちで、いま自分にできることを考えてみましょう。ひとまず行動してみてその結果を見てから考えるなど、あまり順序にこだわらずに行動した方がうまくいくこともあります。

変化をキャッチする

悩むと頭のなかが不安でいっぱいになり、どうしても視野が狭くなりがちです。自分をとりまく環境や相手の気持ちはどんどん変化しているのに、「どうせ何をやっても無駄だ」と諦めてしまっている人もいます。これでは、チャンスが巡ってきても気づくことができませんね。 考えても考えてもなかなかいいアイデアが出てこない… そんなときも、悩むループにはまってしまう前に、冷静にまわりを観察することを続けてみてください。小さな変化をキャッチすることで、考えるヒントを得ることができるはずです。

気持ちの切りかえスキルを身につける

冷静に考えるために必要なのが、ネガティブな気持ちに流されないようにすることです。問題が起きたり、迷ったりしているときは、どうしてもネガティブな気持ちがわいてくるもの。そのまま悩みのループに浸ってしまわないために、うまく気持ちの切りかえができるようなスキルを身に付けておきましょう。 いちばん簡単なのは、深呼吸をすること。いつでもどこでもできるので、とてもおすすめの方法です。腹式呼吸で細く長く吐くことを意識しながら深呼吸すると、頭も心も落ち着きます。他に、ストレッチやヨガなどのリラックス法も、よく悩む人に効果的な切りかえ方法です。 ただ、これらの方法は、パニック状態でいきなり始めてもなかなかうまくいきません。いざというときに使えるように、普段から習慣にしておくとよいでしょう。

失敗を糧にする

失敗することを恐れていると、どうしても次の行動をためらってしまいます。また、「失敗したらどうしよう」という不安自体が新たな悩みの種となって、そんな自分にさらに悩むことにもなります。 過去に失敗したことがあるならば、「同じことを繰り返さないためにはどうしたらいいか」を考えること。これから失敗することが心配ならば、「もし失敗したら、次の方法をためしてみよう」と考えること。失敗することに悩む前に、その失敗を次の行動への糧にしていくことを考えましょう。

分からないことを楽しむ

どれだけ前向きに考えても、未来のことを正確に予想することはできません。むしろ、分からないことだらけといってもよいかもしれません。でも、それを悲観的にとらえて悩む必要はまったくありません。むしろ、何が起きるかわからないことを楽しんで、思い切って行動することを考えてみましょう。 予想外の出来事は、必ずしも悪いものばかりではないはずです。思ったよりもよい結果が出たり、知らなかった相手の一面を知ったり、これまで関心のなかったことに面白さを感じたり、予想外だからこそ喜びを感じられることもあるはずです。考えてもいなかった展開があなたの視野を広げてくれることもあるでしょう。

ネガティブな気持ちに悩みすぎないで

よく悩む人は、それだけがんばっている人でもあります。せっかくがんばるのなら、できるだけネガティブな気持ちに苦しまず、少しでも前向きに進んでいきたいものですね。 悩みのループを抜け出すためには、「悩む人」と「考える人」の違いを知ることが第一歩です。自分がネガティブな不安にとらわれていることに気付いたら、少しずつ「考える人」の習慣を取り入れていきましょう。

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ライター

高宮りか

高宮りか

スクールカウンセラーとして活動する臨床心理士。メンタルで悩む人にも、そうでない人にも、みなさんの生活...

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