2019年05月29日公開

2019年06月30日更新

割れ窓理論を徹底解説!ビジネスや教育の現場でも活用できる?

「仕事の業績が振るわない」「夫婦仲がよくない」といった悩みは、”割れ窓理論”が解決できるかもしれません!割れ窓理論とは「割れた窓を放置していると、その地域に対して誰も関心を持っていないという象徴となり、いずれ全ての窓が割られてしまう」という考え方です。日常の小さなことをおざなりにしてはいませんか?この記事では割れ窓理論について解説していきます!

割れ窓理論とは?

「友達の家に遊びに行ったら靴が散らかっていたため、自分も靴を揃えなかった」なんていう経験はございませんか?これのとき、私たちの頭の中では、環境犯罪学上で言う”割れ窓理論”が働いています。 割れ窓理論とは、極小さな犯罪も徹底的に取り締まることによって、暴行や殺人などの大きな犯罪を含む全ての犯罪行為を抑止することに繋がると言う理論のこと。 建物や車の窓が壊れたまま放置されているのを見ると「この街の人々は地域に関心がないのか」と感じるようになります。そのような空気が蔓延すると、軽犯罪を起こしやすい環境になります。 軽犯罪が多発している様子がさらに住民のモラル・意識を下げることにつながります。やがて暴行や殺人などの凶悪な犯罪も起きやすくなります。 したがって、街全体の犯罪を減らすには、どんなに小さな犯罪も見逃さずに取り締まること。これが割れ窓理論です。 この割れ窓理論ですが、日常のさまざまな局面に応用して取り入れることが可能です。

スティーブ・ジョブス氏も割れ窓理論を取り入れていた

かの有名なスティーブ・ジョブス氏も割れ窓理論を取り入れたとされています。彼が帰ってきた当時のAppleには優秀な人材がたくさんいましたが、それぞれが別の方向を向いており、一体感がありませんでした。 そこでスティーブ・ジョブスはまず乱れた社内環境を見直すべく、社内に規範を作り、小さなことから徹底的に指導していきました。当時の割れ窓理論的な社内改革のおかげで、今のAppleがあるのかもしれませんね。

割れ窓理論の具体例

割れ窓理論は、1972年のアメリカでの実験以降、その効果が認められ、さまざまな地域やコミュニティで応用されています。今回はその中でも有名な具体例を2つご紹介させていただきます。

ニューヨーク市・地下鉄の落書き清掃作戦

ニューヨーク市1980年代のニューヨーク市の地下鉄内では、無賃乗車などの犯罪が横行していました。観光客や、社会的な弱者は強盗の格好の餌食となりました。 路線内や電車そのものにも好き勝手に落書きがされており、手が付けられない犯罪の温床に。その悲惨な光景の写真を撮り続け有名になったフォトジャーナリストもいるくらいです。 そこで、当時のニューヨーク地下鉄公団は、地下鉄内の落書きを一斉に清掃しました。当時、地下鉄全体が荒廃していた時に落書きの清掃を行うことは「タイタニックの甲板を磨くようなものだ」と批判されていたようです。 しかし、作戦は功をなし、割れ窓理論によりニューヨークの地下鉄内の犯罪は激減しました。

ニューヨーク市の例

割れ窓理論はニューヨーク全体の治安の回復にも役立ちました。 1980年代から1990年代にかけての当時のニューヨーク市は、アメリカの中でもトップクラスの犯罪件数を誇る都市。毎年約2000件ほどの殺人事件が起きていたとされています。 ギャングやマフィアの麻薬取引が横行し、暗くなってから外に出ることは自殺行為だとされていました。夜のニューヨークは完全にゴーストタウンと化していました。 そこで、割れ窓理論です。1994年にニューヨーク市長に当選したルドルフ・ジュリアーニ氏は割れ窓理論に基づいてニューヨーク市の治安改善に努めます。「ゼロ・トレランス政策」と言われたこの政策は、どんな小さな犯罪も徹底的に取り締まりました。不寛容政策とも言われています。 落書き、未成年喫煙、万引きなど、全ての軽犯罪を割れ窓理論的に排除していきました。街灯パトロールのために警察官を5000人増員したと言われています。 そして、ルドルフ・ジュリアーニ氏の当選から5年間で殺人発生件数は67.5%減少しました。 どんなに小さい犯罪も不寛容に取り締まった割れ窓理論は、批判もありましたが大きな効果を発揮したのです。

ディズニーの環境美化や落書き清掃作戦

日本最大の遊園地である東京ディズニーランドでも割れ窓理論は適用されています。 小さなゴミや、施設内の些細な汚れや傷をも夜間のうちに頻繁に清掃・修繕。これにより、従業員間の清掃に対しての意識付けを行なっています。また、お客さん側にも「こんなに綺麗な場所なのだから汚したらダメなのではないか」という心理が芽生えます。 割れ窓理論は遊園地内を清掃に保つことにも一役買っています。

割れ窓理論の実験

割れ窓理論の実験は、スタンフォード監獄実験で有名なフィリップ・ジンバルド教授が1969年に行なったものが有名です。 ある街のとある場所に、ナンバープレートを外してボンネットを開けっ放しにしたままの車を路上駐車して放置しました。一週間ほど経って様子を見に行ってみたところ、これと言った変化はみられませんでした。 フィリップ教授は次に、車の窓ガラスを破壊して放置を継続。すると車のバッテリーなど、さまざまな部品が盗まれました。また、全ての窓ガラスは割られ、車全体を落書きで埋め尽くされることに。 フィリップ教授によると、人は匿名性が保証されている環境下(自分以外の人間もやっている)にいる場合、自己規制意識が低下し、没個性化が生じるようです。その結果、衝動的な非合理的な行動に走るようになります。またそれが周囲に伝染していくという悪循環をもたらすのです。

割れ窓理論のメリット

割れ窓理論は、小さな不正や犯罪を取り締まることで重大な結果をなくすことができるという考え方です。重大犯罪を取り締まることは非常に労力がかかりますが、小さなことであれば一般人でもお互いに注意し合うことができます。 また、割れ窓理論は日常のさまざまな局面に応用することができます。街の治安維持に止まらず、会社でのモラルや遊園地の清潔維持、学校や介護施設のいじめ防止にも役に立ちます。

割れ窓理論の活用法(仕事編)

スティーブ・ジョブス氏の例であげたように、割れ窓理論は仕事の場面にも活用することができます。社内の雰囲気が悪かったり、風紀が乱れていると感じた場合は割れ窓理論を思い出してみましょう。

業績が振るわない場合職場の雰囲気が悪い場合も

会社の業績が振るわない場合は、職場の雰囲気に目を向けてみてください。何か小さなルール違反があちこちで起きていませんか? 小さな遅刻は良しという空気ができていたり、ゴミが社内に落ちていたり。また、社員の机の上が汚れていたりするかもしれません。部下のシャツにシワがあったり、仕事で使う備品を出しっぱなしにしていたり。 割れ窓理論的に言えば、小さなルール違反の連続が大きな悲惨な結果に繋がります。業績不信や重大な失敗をしてしまう社員が出てきたとき、一度割れ窓理論の視点に立ってみましょう。

介護従事者の言葉遣いは割れ窓理論で改善

割れ窓理論は介護の場面にも応用されています。 介護の現場でいう割れた窓とは、”言葉”であるとされています。患者に対して使う言葉の乱れが積み重なって虐待という形で現れると言われています。 患者に対して乱れた言葉遣いを少しずつすることによって、それが常識化していきます。歪んだ常識がまたさらに上の段階の乱れに繋がり、やがて取り返しのつかない事態を招いてしまいかねません。 普段から患者に対して丁寧な言葉で接すつことを心がけていれば、乱れが常識化することなく、しっかりとした患者と介護士の関係を保つことができます。

割れ窓理論の活用法(教育編)

学校というコミュニティの中にもたくさんの問題点があります。教育現場で起きてしまう事故は最悪の結末を招いてしまいかねません。次は教育現場で活用されている割れ窓理論をみてみましょう。

いじめ問題解決のヒントに

文部科学省が実施した調査によると2017年に全国の小・中・高学校で認知されたいじめの件数は41万4378件に登り、前年と比べて25%増したとされています。 いじめは、生徒の尊厳を破壊してしまうだけでなく、最悪の場合生徒を自殺まで追い込んでしまうことも。 割れ窓問題はいじめ問題にも適用することができます。 生徒の”意地悪”程度の行動から注意し、させないように徹底する。それができればいじめや集団無視などの大きな「教育上のミス」を防ぐことができます。 割れ窓理論を使い、モラルの低下を常識化させない教育現場を作ることができれば、いじめの件数も減るでしょう。

花壇の整備は防御になる?

みなさんの周りに花壇が綺麗に整備されている小中学校はありませんか?実はあれ、割れ窓理論的に考えると非常に有効な犯罪抑止の手段だと言えます。 花壇が汚いとまず、「この学校は警備が甘いのではないか?」という疑問が生まれいずれ「この学校でなら少しくらい悪いことをしても大事にはならにだろう」という思考をもつ人が現れるでしょう。 割れ窓理論の通りに、花壇がしっかり整備されていれば、犯罪者は寄りつきにくいはずです。

割れ窓理論は否定派も多い

さまざまな分野での効果が期待できる割れ窓理論ですが、批判の声もあります。主に1990年代に行われたニューヨーク市での政策についての批判の声が多いです。

ニューヨークだけでなく、他の都市でも治安は回復していた

ルドルフ・ジュリアーニ氏が「ゼロ・トレランス」により割れ窓理論の政策を実施したのが1994年。小さな犯罪を徹底的に排除したことによって、街の治安は大幅な回復を見せたとされています。 しかし、統計によると、治安が回復したのは割れ窓理論の政策を行なったニューヨーク市だけではなかったようです。他のいくつかの、割れ窓理論の政策を実施をしていない都市でも治安は回復していたとのこと。 ニューヨーク市の治安が回復したことと、割れ窓理論の政策には因果関係がないのではないという批判をする学者は少なくありません。

他の取り組みと時期が重なった

ルドルフ・ジュリアーニ氏の割れ窓理論の政策が行われていた同時期に、治安改善のための取り組みがいくつか行われておりました。 警察の組織改革。また、福祉支援を受けている方への就職斡旋など。 1990年代に見られたニューヨークの治安回復は、割れ窓理論の政策の効果なのか、他の取り組みの効果なのか、区別が難しい状況にあったようです。

割れ窓理論と類似した考え方はある?

環境犯罪学の分野以外にも、割れ窓理論とよく似た考え方がいくつかあります。犯罪学と異なる分野では割れ窓理論をどのように捉えているのでしょうか。 続いては割れ窓理論と類似した考えをいくつかご紹介します。

ハインリッヒの法則

製造業や、建設業の現場で働く方なんかは一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。アメリカの損賠保険会社に勤めていたハーバード・ウィリアム・ハインリッヒ氏が提唱した法則です。 ハインリッヒの法則は、『1件の重大な事故や災害の裏には、29件の小さな事故や災害があり、さらにその裏には300件のヒヤリハットがある』というものです。 職場の安全性の点検整備や適切な労働者の採用、採用や研修を施すことで不安全な行動と不安全な状態を排除できる。また、それらを排除できれば職場の災害や障害はなくなる。というのがハインリッヒの主張です。 ハインリッヒが1931年に出版した著書は、NASAをはじめとした数多くの著作物に引用されたことから『災害防止のバイブル』と言われています。また彼自身も『災害防止のゴッドファーザー』と呼ばれるようになりました。

腐ったみかんの方程式

金八先生シリーズで有名な『腐ったみかんの方程式』も同様の考え方としては似ていますよね。 『箱の中に1つでも腐ったみかんがあると、他のみかんまで腐ってしまう。腐ったみかんは箱の外へ放り出してしまうのが一番だ』という考え方です。 「人間をみかんに例えるなんてモラル的にどうか」という批判も最もです。しかし、「小さな1つの負の要素は、周りに伝染してやがて大きな結果として降り掛かってくる」と言う意味では、間違っていないでしょう。

大きな事故を防ぐには、小さなことを取り締まればいい

割れ窓理論は、日常のいたるところに取り入れることができる考え方です。 夫婦仲があまりよくない方は、日常の小さな「ありがとう」や「ごめんね」が言えているでしょうか?仕事がうまくいっていない方はオフィスが汚れていたり、パソコンのデスクトップが散らかっていたりしませんか? よく言われる「服装の乱れは心の乱れ」なんかも割れ窓理論的な考え方だと言えます。 小さなことをおざなりにしているとそれが常識化していき、次の乱れへと繋がります。 皆さんも割れ窓理論をよく理解して、日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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ライター

mizushima

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