2019年02月10日公開

2019年06月06日更新

現状維持バイアスとは?外し方や克服方法は?変化を恐れず行動するための心理学

現状維持バイアスとは変化を恐れる心理作用です。転職する際、恋人と別れる際、何かに挑戦する際などに躊躇してしまった経験はありませんか?そんな現状維持バイアスをどう克服するか、克服して変化を恐れず行動するための心理学を紹介していきます!

現状維持バイアスとは?

変えなきゃ、変えなきゃと思いながらついズルズルと行動を先延ばしにして、結局いつまでたっても変わらない。そんなことはないでしょうか?こんな時、頭の中に現れているのが、現状維持バイアスです。 現状維持バイアスとは、簡単に言えば「変化を恐れる、現状維持しようとする保守的な心理作用」のことです。 太古の昔、闇雲に敵や獲物に向かって行くと命を落とすので、危機を回避しようとする人間の本能に基づくものです。

現状維持バイアスの具体例

ここからは、現状維持バイアスが現れる実際の場面を、具体例を通して見ていきましょう。

【転職編】転職の時に現れる現状維持バイアス

現状維持バイアスが転職の場面に現れると、どうなるでしょうか? 毎日今の会社に行くのがつらい。仕事をしていても自分の成長が感じられない。今の会社をやめて、他に自分を生かせる仕事がしたい。そんな時には転職を考えますよね。 しかしどうしても「お話があるのですが」と退職を申し出ることができません。あるいは、机の引き出しの下に退職届をもう何日も入れっぱなしにしているかもしれません。 このように、転職のためのアクションをためらってしまうところに、現状維持バイアスが出てきています。変化を恐れるせいで、転職の日が先延ばしになっているのです。

【恋愛編】恋愛に出てくる現状維持バイアス

恋愛のようなプライベートな場面でも、現状維持バイアスは現れます。 付き合いが長くなるにつれ、相手の言葉や態度に違和感を感じるようになり、もう別れた方がいいんじゃないのかと思い悩み、別れの切り出し方をあれこれ考えたりした時を思い浮かべてください。 自分から別れを切り出すことはなかなかできません。次の相手を見つけるのも大変だし、少し我慢すればいいと思ったりします。また、相手から別れを切り出してくれればいいのにと願ったりします。そうしてズルズルと関係が続いていきます。 このように、関係を終わらせたいのに、関係が終わるのを恐れてしまうところに、現状維持バイアスがはたらいているといえます。

現状維持バイアスのデメリット

現状維持バイアスのデメリットとは何でしょうか? ウォルト・ディズニーの言葉に「現状維持では後退するばかりである。」というものがあります。現状維持することを今のままにとどまり続けるのではなく、むしろ後退につながると評しているように、現状維持バイアスにかかることは大きなデメリットになります。 一番のデメリットとは、「チャレンジできない」ということにつきます。 チャレンジしなければ、行動に伴う利益を享受することができなくなります。それは、自分の可能性を狭めてしまうことにもつながります。例えば以下のような具体例があります。

サッカーの試合などで、明らかに劣勢になっていて、メンバーを変えて立て直した方がいいのにと、テレビを観ながら思ったことはありませんか? あれは、監督の頭の中ではメンバーを変えたことでもっと悪い状況になることを恐れているわけです。 「まだ大丈夫だ」と歪んだ意思決定をしてメンバーを変えず、結局点を入れられてしまうことになります。

現状維持バイアスの外し方

むやみに行動すると野生動物に遭遇してしまうなどの可能性があった大昔と異なり、現代では現状維持バイアスは克服すべきものとなります。 それでは、現状維持バイアスを克服するにあたり、その外し方について見ていきましょう。

データを記録して現状を把握する

克服するための現状維持バイアスの外し方として、まず行うのは「データを取って現状を把握すること」です。 現状のままでいるときと検討している行動後の状態をデータにして比較して、理性的に判断して現状維持バイアスを克服する、という外し方になります。これにより、自分に変化を促すのです。 例えば転職の際には、現状のままでいるときと転職後の待遇や職場環境などをリスト化・数値化し、比較検討するのです。恋愛の場合は難しいですが、今と別れた後の気持ちの変化をリスト化してみるなどといった手があります。

第三者に客観的な意見を求める

次に行うのが、「冷静な第三者に客観的な意見をもらう」ということです。その第三者は、できれば検討している件とは無関係であるほうが克服するための外し方としては有効です。 「そんな第三者なんて見つけられない」という場合には、なるべく自分の問題に関係する自己啓発のためのセミナーに参加したり、読書をしてみることを試してみましょう。カウンセリングも有効でしょう。 現状維持バイアスを克服するには、一人ではなかなか難しい場合があります。そんな時には、自分が変化するために他の人や手段を活用してみるのがうまい外し方になります。

最もうまく行かないパターンをシビアに想像しておく

現状維持バイアスを克服するための外し方として、次に行うのは「最もうまく行かないパターンをシビアに想像しておく」ことです。 もし自分が思い切って行動してみて、失敗した場合にどのような不利益を被るのか、具体的に想像してみるのです。リスト化してみてもいいでしょう。 現状維持バイアスは、よく知らないことに対して恐れをいだくことから発生します。知らないことを知るようにしてみてば、克服への道が開けます。有効な外し方といえましょう。

笑えるくらい目標を低く設定してとりあえずやる!

以上、現状維持バイアスを克服するための外し方として色々見てきましたが、上に述べたことはみな、具体的な行動のための準備や計画です。でも、そこから先の変化につながる直接的な行動ができないのが現状維持バイアスの神髄なんです。 このままでは、現状維持バイアスを克服するための外し方の準備をしたところでまた現状維持バイアスが出てきて、結局克服するための行動に移すことができなかった、という変化のない最悪な事態が訪れます。 どうしたらいいのでしょうか? それは何かというと、「とりあえずやる」ということです。 もちろん準備は必要です。しかし、最終的に自分が変化するためには、直接的な行動を起こす気構えが必要なんです。「やる気」というものは行動の前にはなく、行動してからやる気が出てくるともいいます。 そのためには笑えてくるくらい低い目標を設定するのが効果的です。 腹筋をつけたいなら、腹筋1日1回を目標にしましょう。そのくらい低くても全く問題ないのです。 始めることがスタートです。

現状維持バイアスに関連する心理学用語

現状維持バイアスに関連する心理学は沢山ありますので、ここでいくつかご紹介します。

保有効果

「保有効果」とは、自分の保持しているものに価値を感じて、手放したくないという心理効果です。 自分の現在持っているものを手放したくないということになります。変化はしたくないという現状維持バイアスの現れでもあります。

正常性バイアス

「正常性バイアス」とは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする、人間の特性のことです。 現状維持バイアスとのからみで言うと、現状がどんどん悪くなってきて、なんらかの行動を起こす必要が出てきた場合にも、それを見ないようにして何も動かない、ということになります。

現状維持バイアスを克服して歪んだ意思決定を無くそう

現代は、変化の激しい時代です。状況に応じて素早く自分を変化させ、新しい状況に対応する、または自分で状況を作り出すことが必要です。 そんな時、障害となるのは現状維持バイアスです。太古の本能が邪魔をして、行動を抑制してしまうのです。 しかし、現代で行動して命を落とすことはまれです。損害を気にするより、何もしないことを選択させる歪んだ意思決定を排除して、現状維持バイアスを克服しましょう。 あなたの参考になれば幸いです。

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よし・こう

よし・こう

とある大学の人間科学部を卒業。ここ数年は、大学の生涯学習クラスで心理学の講義を受講しながら独学中。...

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