2019年06月12日公開

2019年06月12日更新

モラトリアム人間とは?意味や特徴・モラトリアム人間脱却法を紹介

「モラトリアム人間」という言葉の意味を知っていますか?主に「自分が何者かを見つけられない大人」という意味で使われます。あなたには心当たりがありませんか?ここでは「モラトリアム人間」という言葉の意味や、「モラトリアム人間」からの脱却法を考えていきます。

モラトリアム人間の意味・類語

「モラトリアム」という言葉は英語で「moratorium」と表記され、「支払い猶予」「一時停止」の意味があります。経済恐慌や天災など起こったとき、国家が法令によって債務の支払いを猶予することを表します。 現代では、主に心理学用語として「大人になるための猶予期間」の意味で使われます。精神分析学者のエリクソンが、本来の金融用語から転用し「心理社会的モラトリアム」という考え方を提唱しました。人間が健全に成長するために必要な期間であると考えられたのです。 ここでは、現在使われている「モラトリアム人間」という言葉について、詳しく見ていきます。

モラトリアム人間の使い方や例文

エリクソンが提唱した「モラトリアム」という言葉は前向きな意味で用いられましたが、今では「学生を卒業してからも、大人としての責任を負うことから逃げている」という意味で使われていることが多いです。 例文:彼はいい大人なのに、まだ職を転々としているモラトリアム人間だ。 このように「モラトリアム人間」という言葉は、一般的には大人と言われる年代の人たちが、モラトリアム状態から抜け出せないことを指します。否定的なイメージの強い言葉であると言えます。

モラトリアム人間の時期

では、「モラトリアム人間」と呼ばれるのは、どの年代のことなのでしょうか?昔は「大人になる前の準備」という意味で、一人前になるための修行を積む年代、12~22歳の青年期がモラトリアムと言われていました。理想の大人と現在の自分のギャップを埋める時期であると言えます。 しかし現代では、就職してからも「自分の人生はこれで良いのか」と人生に悩む人もが多くいます。自分の人生を決められなかったり、責任の重さに耐えられずに、転々と職を変えるなど、30代~40歳前後でも「モラトリアム人間」から脱却できない人が増えています。

モラトリアム人間の類語

「モラトリアム人間」という言葉の類語は、「ピーターパン症候群」「ニート」などが挙げられます。ここでは、この2つの言葉の意味を見ていきます。

ピーターパン症候群

大人になりたくない、永遠に年を取らず子供のままでいたいという願望が強い人を指します。怒りや不満などの感情の制御ができない人で、男性・女性ともに多いと言われます。大人になりたくないという願望が強いという意味では「モラトリアム人間」の類語であると言えます。

ニート

英語で「Not in Employment, Education or Training」の頭文字をとって「NEET」と呼びます。15歳から34歳の未婚の人で、就労の意思がなく、家事や家業の手伝いもせず、教育も研修も受けていない人を指します。人生を決められないという意味で、「モラトリアム人間」との類語と言えます。

モラトリアム人間の対義語

では、「モラトリアム人間」という言葉の対義語にはどのようなものがあるでしょうか?本来の意味である「支払い猶予」という言葉の対義語としては「即時決済」が当てはまります。心理学でいう「モラトリアム人間」の意味の対義語は、どんな言葉が適しているでしょうか。

自己アイデンティティの確立

自分が何者か決められない「モラトリアム人間」の対義語は「自己アイデンティティの確立」ということになります。自分は何者なのかを問うた結果、答えが出た状態です。この答えは、その後も人生の転機が訪れるごとに揺らぎ、再確立を繰り返していきます。

心理社会的な自立

大人としての責任を負うことから逃げている「モラトリアム人間」の対義語として適しているのは、「心理社会的な自立」と言えます。自分の価値観をしっかりと持っており、社会の中で他者との協調性を持って生きていける人という意味です。

英語とのニュアンスの違い

英語で表される「モラトリアム(moratorium)」は、心理学用語として「社会人としての責任や義務を果たすことを猶予されている期間」と訳されます。これに対し、現代の日本では「責任回避」の意味で使われているのが目立ちます。 日本におけるこの言葉のイメージは、「大人への意識の変化に時間的猶予が無く、学生卒業と同時に意識を変える必要がある」という印象を受ける人も多いのではないでしょうか。

モラトリアム人間の特徴5つ

ここまで、「モラトリアム人間」という言葉の意味について考えてきました。では、「モラトリアム人間」とはどのような特徴を持った人なのでしょうか?大きく5つに分けて見ていきましょう。

特徴1:自分探しが終わらない

「モラトリアム」とは自分が何者であるかを考える時期であり、一般的には「青年期」がその時期だと言われています。その「自分が何者かを考える=自分探し」がなかなか終わらないのが「モラトリアム人間」の特徴です。自分探しにいろいろと手を付けても、ひとつに絞れない状態です。

特徴2:定職につかない

モラトリアム人間は、学校を卒業した後も定職につかない人が多いと言われています。「普通の人生」を嫌がり、特別である自分の素晴らしさを発揮できる仕事を求めて、自分の人生が決められません。たとえ職についても「自分の理想と違う」と感じ、職を転々とする人が多いのも特徴です。

特徴3:決断できない

モラトリアム人間は、社会人として責任を負うことから逃げたい気持ちを持っています。そのため、自分の人生に関わることも決断できません。選択肢をたくさん残したまま、ひとつに決めきれずに、挑戦することから逃げている状態と言えます。

特徴4:現実逃避をしている

モラトリアム人間は、現実逃避をしている状態であるとも言えます。理想が高く、現実の自分からは目を背けてしまい、「本当の自分はもっと違うところにある」という感覚が抜けずにいます。社会に溶け込む努力を避け、周囲にもなじみにくいという特徴があります。

特徴5:無気力である

モラトリアム人間は、自分の現状を否定し、何も決断できずにいます。物事の決断ができないということは、目標もなく、自分を奮い立たせるものが無いという状態です。高い理想にすぐに近づくことも出来ず、どう人生を進めるかも見えずに、気力を失くしている人が多いのです。

モラトリアム人間からの脱却法

それでは、モラトリアム人間が、その状態から脱却するには、どうしたらよいのでしょうか?これまでに決断を避けてきた人にとっては、大変な道のりに感じられるかもしれませんが、この後に紹介する方法で、現実の自分をよく知ることから始めてみましょう。

自分の人生と向き合う

まず大切なのは、自分の人生と向き合うことです。今までにどのようなことをしてきたか、小さい頃からの人生を振り返り、何が好きで、何が嫌いで、自分がどうありたいか、どんな状態が嫌かを書き出しましょう。自分ができることや、辞めるべきことが見えてくるのではないでしょうか。 高い理想は「モラトリアム人間」と呼ばれる人の多くが持っているので、そこに近づくために、今ここから自分が何をすべきかが見えてきます。辞めるべきものは辞め、できることはやってみます。小さなことでもコツコツと取り掛かることから始めましょう。

ありのままの自分を受け入れる

モラトリアム人間には「今の自分は違う。もっと素晴らしいはずだ」という意識が過剰にあります。しかし、その意識を、もっと今の自分に向けてみましょう。今の自分ができること・感じていること・どんなことに喜びを感じるか、何が苦手なのか、ということを把握しましょう。 その現実を見て「自分はダメだ」と落ち込み、悩むのではなく、「今の自分はそういう状態なのだ」と理解して受け入れましょう。今の自分に気づけたことだけでも大きな一歩になります。憧れる理想像とのギャップを埋めていくという意識が出てくるようになります。

タイムリミットを設ける

モラトリアム人間は元々、自分とは何者かを決められずに先延ばしにしてきた人を指します。今回の脱却法を試しても、期限が無いと、再び先延ばしになってしまいます。例えば、「今月中に○○をやり切る」「年内に○○を決める」など、タイムリミットを設けましょう。

小さな達成感から自信を取り戻す

モラトリアム人間は、持っている理想が高すぎて、現実の自分からは手の届かないことのように感じている場合が多々あります。自分にできる自信も持てず、無気力状態になってしまうと考えられます。 まずは、自分の人生と向き合ってみた結果「できること」として浮かんだことを、少しでも手を付けてみましょう。やってみた結果を振り返り、前日の自分よりはできたと、小さな達成感を積み重ねていきます。そうすることで、自分もできるという自信がついてくるでしょう。

モラトリアム人間は変われる!

今回は、モラトリアム人間という言葉の意味や特徴を知り、モラトリアム人間からの脱却法を見てきました。「モラトリアム人間」という言葉が、日本ではあまり良くない意味として使われていますが、人生を進むうえで一度も「自分とは何か」が揺らがない人はいません。 小さい頃に志すものを見つけ、人生で一度も「自分」が揺らがない人がいるとすれば、それは自分の人生において、広い視野を持つことができず、過剰な自信を持ってしまうことにもつながりかねません。 「自分が何者かはっきりと見つけた」という人も、人生の転機があるたびに、その確立したはずの自分について考え直し、悩みながら人生を進んでいます。今はモラトリアム人間でも、自分がやりたいことが見つかれば、きっと人生も動き出します。覚悟を決める勇気を出してみましょう。

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ライター

SatokoH

SatokoH

学生時代に社会心理学を専攻していました。対人関係の心理学や、人生をより楽しく過ごすことなどのテーマに...

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