「大安」という言葉を聞いたとき、なんとなく縁起の良い日だと感じる方も多いのではないでしょうか。結婚式や引っ越しなど、人生の大切な節目で「大安吉日」を選ぶ習慣は現代でも根強く残っています。
でも、大安の本当の意味や由来を詳しく知っている人は意外と少ないかもしれません。どんなことをすると良いとされているのか、他の六曜との違いは何なのか。
この記事では、大安について知っておきたい基本的な知識から、実際に大安の日におすすめの行動まで、わかりやすくご紹介します。きっと、これまで以上に大安を身近に感じられるようになりますよ。
大安とは何？基本的な意味と読み方
大安について理解するために、まずは基本的な知識を整理してみましょう。意外と知らないことがあるかもしれません。
大安の基本的な特徴は次のとおりです。
- 六曜の中で最も縁起が良いとされる日
- 「たいあん」または「だいあん」と読む
- 一日を通して吉とされる時間帯
- 「大いに安し」という意味を持つ
- 何をするにも適した万能の吉日
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大安の意味と読み方
大安は「大いに安し」という意味を持ち、「たいあん」または「だいあん」と読みます。この「大いに安し」という言葉が示すように、すべてのことが安泰で順調に進むとされる日なのです。
現代では「たいあん」と読むのが一般的ですが、どちらの読み方も正しいとされています。カレンダーや暦では「大安」と漢字で表記されることがほとんどです。
六曜の中での大安の位置づけ
大安は六曜という暦の考え方の中で、最も縁起が良いとされる日です。六曜は「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6つで構成され、この順番で毎日繰り返されています。
縁起の良さでランキングをつけると、大安が1位、友引が2位となります。つまり、大安は六曜の中でトップの吉日なのです。
「大安吉日」との違い
「大安吉日」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。実は、大安吉日は大安と同じ意味です。
「吉日」という言葉を付けることで、より縁起の良さを強調した表現になっています。結婚式の招待状などでよく使われる表現ですね。
大安の由来と歴史
大安がどのようにして生まれ、日本に根付いたのか。その歴史を知ると、より深く理解できるはずです。
大安の歴史的背景には以下のポイントがあります。
- 古代中国の占星術が起源
- 小六壬という占いシステムから発展
- 14世紀頃に日本に伝来
- 日本独自の解釈で現在の形に
順番に詳しく説明していきます。
中国から伝わった小六壬との関係
大安を含む六曜の起源は、古代中国にあります。約2000年前に創始された「小六壬（しょうろくじん）」という占星術が、六曜のもとになったといわれています。
興味深いことに、三国志で有名な軍師・諸葛孔明が発案したという説まであるのです。真偽のほどは定かではありませんが、それだけ古い歴史を持つ考え方なのですね。
日本での広まり方
六曜が日本に伝わったのは14世紀頃とされています。しかし、当初は現在とは異なる順番や解釈で使われていました。
日本に伝来した後、日本の文化風土に合わせて順番や解釈が変化し、現在の形になったのです。つまり、今私たちが知っている大安は、日本独自の発展を遂げた結果なのです。
現代まで続く理由
科学的な根拠がないとして、六曜の使用が禁止された時代もありました。それでも現代まで続いているのは、先人の知恵として受け継がれてきた価値があるからでしょう。
ビジネスシーンでも活用されており、多くの人が日常生活の中で六曜を意識しています。完全に信じるかどうかは別として、一つの目安として親しまれているのです。
大安の日におすすめの行動7選
大安の日には、どんなことをすると良いのでしょうか。特におすすめの行動を7つご紹介します。
大安の日に特におすすめの行動は以下のとおりです。
- 結婚式・披露宴
- 入籍手続き
- 引っ越し
- 開業・開店
- 納車・高額商品の購入
- お宮参り・七五三
- 宝くじの購入
一つずつ詳しく解説していきます。
1. 結婚式・披露宴
大安は結婚式に最適のお日柄です。時間帯にも吉凶がないため、一日中どの時間帯でも問題なく挙式できます。
多くのカップルが大安を選ぶため、式場の予約が取りにくいのが難点です。大安での挙式を希望する場合は、早めの予約が必要になります。
もし大安の予約が取れない場合は、「友引」もおすすめです。友引は「周囲にも幸せをおすそ分けする」といわれ、結婚式では大安の次に良いとされています。
2. 入籍手続き
入籍も結婚式と同様、大安吉日におすすめのお祝い事です。婚姻届の提出は時間の調整がしやすいので、結婚式とは別の日に設定することも可能です。
例えば、結婚式は友引に挙げて、入籍は大安に行うという選択肢もあります。二人にとって記念日になる日ですから、納得のいく日取りを選びたいですね。
3. 引っ越し
新しい生活が始まる引っ越しは、新しいことを始めるのに向いている大安におすすめです。時間帯にも制限がないので、引っ越し作業を当日中に済ませれば大丈夫です。
ただし、大安の引っ越しは人気が高く、特に週末の大安は予約が取りづらくなります。また、引っ越し業者によっては大安の料金を高く設定しているところもあります。
4. 開業・開店
新しいビジネスを始める開業や開店も、大安が最もふさわしいとされています。一日を通して吉とされる大安なら、オープンの時間を気にする必要がありません。
登記や建築の着工日なども、大安が選ばれやすい行事です。ビジネスの成功を願って、縁起の良い日を選ぶ経営者は多いのです。
5. 納車・高額商品の購入
大安は新しい物の使い始めにも良い日です。車の納車日や不動産の購入など、高額商品の購入にも向いています。
納車日は購入者が選べる場合が多いため、せっかくなら縁起の良い大安を選んでおくのがおすすめです。無事故・安全運転で過ごせるよう、縁起を担ぐ方も多いのです。
6. お宮参り・七五三
お宮参りや七五三のようなお祝い事も、大安に行うと良い行事です。子供たちの成長を祝う大切な行事ですから、縁起の良い日を選びたいものです。
大安なら時間を気にせずゆっくりとお祝いできます。お参りの後に家族で食事会を開く場合も、時間を気にする必要がありません。
7. 宝くじの購入
大安に宝くじを購入するのもおすすめです。宝くじ売り場では「本日大安吉日」などの表示をしているところもあり、多くの人が縁起を担いで購入します。
一粒万倍日と大安が重なる日を狙って購入する人もいます。当選確率が上がるわけではありませんが、気持ちよく購入できますね。
大安の日に行っても問題ないこと
大安の日に行っても良いか迷うことがあるかもしれません。実は問題ない行動をご紹介します。
大安の日に行っても問題ない行動は次のとおりです。
- お見舞い
- 勝負事
- 法事・仏事
詳しく説明していきます。
お見舞い
大安のお見舞いは特に問題なく行えます。大安は一日中いつ行動しても問題ないため、お見舞いの時間帯を自由に選べる点でも利用しやすい日です。
もちろん、お見舞いに行く相手の状況や都合を優先して、迷惑にならないタイミングを選ぶことが大切です。
勝負事
大安は何事にも向いている日なので、勝負事も問題ありません。縁起を担ぐことで安心して勝負に臨めるなら、勝負日に大安を選ぶのも良い選択です。
スポーツの試合や重要な商談など、結果が気になる場面で大安を選ぶ人も多いのです。
法事などの仏事
そもそも六曜と仏教には関連がないため、法事などの仏事を大安に執り行うことも特に支障はありません。
宗教的な行事と暦の吉凶は別々に考えて良いということですね。
他の六曜との違いと特徴
大安をより深く理解するために、他の六曜との違いを見てみましょう。
六曜それぞれの特徴を比較すると以下のようになります。
| 六曜 | 特徴 | 吉の時間帯 | 凶の時間帯 |
|---|---|---|---|
| 大安 | 最も縁起が良い | 一日中 | なし |
| 友引 | 友を引く、共に幸せ | 朝・夕方 | 11時〜13時 |
| 先勝 | 先んずれば勝つ | 午前中 | 午後 |
| 先負 | 先んずれば負ける | 午後 | 午前中 |
| 赤口 | 何事も慎む日 | 11時〜13時 | その他の時間 |
| 仏滅 | 最も縁起が悪い | なし | 一日中 |
この表を見ると、大安の特別さがよくわかりますね。
友引との比較
友引は大安に次いで縁起が良いとされる日です。「友を引く」という意味から、結婚式では「周囲にも幸せをおすそ分けする」と解釈されています。
ただし、友引には11時から13時までの凶の時間帯があります。この時間を避ければ、大安の代替として十分活用できる日です。
先勝・先負との違い
先勝は「先んずれば勝つ」という意味で、午前中が吉とされます。先負は「先んずれば負ける」という意味で、午後が吉とされます。
大安と違って時間帯による制限があるため、短時間で済む用事なら活用しやすい日です。引っ越しなどで大安の予約が取れない場合の選択肢になります。
仏滅・赤口との対比
仏滅は六曜の中で最も縁起が悪いとされる日です。大安とは正反対の位置にあり、お祝い事は避けられる傾向にあります。
赤口も縁起が悪い日とされ、11時から13時以外は凶とされています。大安の人気の高さと比べると、その差は歴然としています。
大安の日を選ぶときの注意点
大安を選ぶ際に知っておきたい注意点をご紹介します。メリットばかりではないことも理解しておきましょう。
大安を選ぶ際の注意点は以下のとおりです。
- 料金が高くなる可能性
- 予約が取りにくい状況
- 本当に大安にこだわる必要があるかの検討
詳しく見ていきます。
料金が高くなる可能性
大安は人気が高いため、結婚式場や引っ越し業者などで料金が高く設定されることがあります。大安以外の日の割引率が50%程度なのに対し、大安の割引率は10%程度にとどまることもあります。
予算に限りがある場合は、費用対効果を考えて日程を決める必要があります。縁起を取るか、費用を抑えるか、優先順位を明確にしておきましょう。
予約が取りにくい場合
大安は月に5回程度しかないため、予約が集中しやすい日です。特に土日の大安は予約で埋まっていることがほとんどです。
大安にこだわる場合は、早めに計画を立てて予約を取る必要があります。直前では希望通りの予約が取れない可能性が高いのです。
本当に大安にこだわる必要があるか
現代では六曜を気にしない人も一定数います。科学的な根拠がないことから、迷信として捉える人もいるのです。
自分や家族にとって本当に大安が必要かどうか、よく考えてから決めることが大切です。形式にとらわれすぎず、納得のいく選択をしましょう。
まとめ
今回の記事では、大安の意味や由来、おすすめの行動について詳しくご紹介しました。以下に要点をまとめます。
- 大安は六曜の中で最も縁起が良いとされる日
- 「大いに安し」という意味で一日中吉とされる
- 古代中国の占星術が起源で日本独自に発展
- 結婚式や引っ越しなど人生の節目におすすめ
- 料金が高くなったり予約が取りにくい場合がある
- 本当に必要かどうか自分で判断することが大切
大安について知識を深めることで、より納得のいく日程選びができるようになります。縁起を担ぐのも良し、気にしないのも良し。大切なのは、自分らしい選択をすることです。
人生の大切な場面で、あなたにとって最適な日を選んでくださいね。他の六曜についても調べてみると、さらに理解が深まりますよ。
